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コラム【使える語学力って何?】



日本に帰ると時々「本当に使える語学の身につけ方」みたいな特集を見かける。
ドイツ在住7年ながら、未だにドイツ語はゴリ押し…な自分にとっては、なんとも頼もしいキャッチコピーだ。ただそんなわたしでも、使える語学と使えない語学が存在するのは良く分かる。

ドイツ在住まだ7ヶ月の頃、わたしは当時住んでいた小さな街の日本人事務所でアルバイトを始めた。
電話番とスケジュール管理が主な、ごくごく簡単な仕事だ。当時通っていた語学学校では、ちょうどドイツ語B2からC1に進む頃だったと思う。


事務所でのわたしの仕事ぶりは、まあだいたいこんな感じだった。

電話がなる。とりあえず取って、ドイツ語で会社名と名前を名乗る。相手のドイツ人に何か言われる。Ja(はい)とかAha(ええ)とか言いながらとりあえず長い話を最後まで聞く。相手が話し終え、こちらに何かを尋ねる。そこでこう答える。

「Ah…Könnten Sie etwas langsam sprechen?」
(えっと…もっとゆっくり話してもらえますか?)


一方、事務所長の仕事ぶりはこうだった。

電話がなる。とりあえず取って、会社名と名前を名乗る。相手のドイツ人に何か言われる。話は大抵最後まで聞かない。

「Wie Bitte!?」(え、何ですって?)
「Also, was meinen Sie?」(つまりどういうこと?)

挙げ句の果てにはこちらの希望スケジュールを二三伝え、
「Alles klar !?」(分かったわね!?)

発音は、素晴らしいくらいのジャパニーズジャーマン(日本語なまりのドイツ語)だった。

ドイツ語を少しご存知の方なら分かる通り、両者が使っている単語に大差はない。
どちらも日常会話で出てくるフレーズだ。
では何が違うのかというと、コミュニケーションの姿勢だ。当時のわたしは、学校で習った正しいドイツ語を使う事に必死だった。ドイツ人の口調が早過ぎてわからなくても、「分かりません」と遮る勇気がなかった。

残念ながら、こうやって恥をかくことを恐れているうちは、それなりにしかなれない。


語学はあくまでも、あなたの気持ちを伝え、表現する手段だ。
肝心の「伝えたい」「分かってもらいたい」という気持ちが欠けていては、どんなに上手な外国語ができても、あなたの意見は薄っぺらくなってしまうだろう。
それはちょうど、立派な話はしていてもそこに熱意のない先生や、演奏は上手だけど歌うことを忘れてしまった音楽家みたいなものだと思う。
だからこの際、どんどん間違えるのが良い。


それから3年後、「使える語学」というより 「語学の正しい使い方」を身につけたわたしは、取引先のドイツ人にも堂々とクレームを伝えるようになった。
それでも、品質クレームみたいな細かい問題点は、なかなか上手く伝えられなかった。
だからこんな感じだった。

取引先「Leider verstehe ich nicht」(どういうことか良くわかりません)
わたし「Warum!?」(何でよ!?)

そして、3年ぶりにドイツ語学校の門を叩いた。

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プロフィール

柏葉 綾子

柏葉 綾子
ドイツ在住のキャリアカウンセラー。ドイツで働くことを夢見て2008年に渡独。自身の経験と現地人材会社での経験をふまえて、ブログ「ドイツで働きたいあなたへ」を開設。
詳しいプロフィールはこちらへ

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